妻恋婚~御曹司は愛する手段を選ばない~


「そっか。だったら先に食事だな。遅くなってすまなかった。どうしても我慢できない時は先に食べていてくれていいからな」

「うん。わかってる。でも今日は一緒の夕食が良かったから」


すでに時刻は夜の九時を過ぎている。

遅くなる場合は俺を待たずに食事をしていてくれと前もって言われているため、言葉に従い先に食事をとる時ももちろんある。

しかし、今日は私も何かと忙しかった上、実はそこまでお腹が空いていない。

石田教授とのレッスンを終えたあと、恭介君が言うように晶子先生の所に私は立ち寄った。

元々高校生の時、私と石田教授を繋いでくれたのが晶子先生だった。

そして今回、私が石田教授にお願いの電話をする前に、晶子先生も連絡をしてくれていたのをレッスン後の雑談中に知ったため、今日の報告にありがとうの気持ちも伝えたくてスクールに顔を出したのだ。

少しだけ話をしたあと、邪魔にならないよう帰ろうとしたのだけれど、晶子先生の授業が終わっていたこともあり引き止められ、そのまま一緒に買い物に行くこととなった。

それから恭介君の実家にお邪魔し、夕飯を共に作り、ふたりぶんの料理を持たせてくれたのだ。

< 150 / 196 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop