一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
当時の萌音も同じような気持ちだったから良くわかる。

「そんなときに中等部のエリアに座る萌音と目が合った。一瞬だったけど、俺には忘れられないほどの衝撃だった」

海音の真剣な表情と言葉に萌音の心臓が早鐘を打つ。

「言葉を交わさなくても俺にはわかった。萌音が俺の運命の片割れだって」

「私が運命の片割れ?」

「ああ、俺にはずっと君しか見えていない」

ただでさえ惹かれ始めていた海音の、想定外な内容の告白である。

萌音の心は何がなんだか分からずパニックになっていた。

゛私と同じ?゛

゛彼も私と同じ感性を持った運命の片割れなの?゛

萌音が自分自身の中の疑問と格闘しているうちに、

「お待たせしました。こちらがレモネード二つと海老とアボカドのクリームパスタ、ツナとタマネギの和風スパでございます。ご注文は以上でお揃いですか?」

という、店員のKY(空気が読めない)な登場のお陰で、纏まらない思考を中断することができた。

「とりあえず、冷めないうちに食べようか。話をする時間はいくらでもある」

と、海音が言ったので、萌音も頷いてランチを摂ることに専念した。
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