一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
捨てられた犬や猫を拾ってきては、飼い主を探したり、手当てするのは日常茶飯事。

いじめられている同級生を庇って自分がいじめられても構わず、そのうち根負けしたいじめっ子に一目置かれるようになったり。

困っているおじいさんやおばあさん、子連れのお母さんを助けてお礼の手紙や品物を持ってこられたり。

そんな仄仄(ほのぼの)としたエピソードを長嶺教授から聞かされて、海音は益々萌音が好きになった。

『あの娘はいつもツンツンモードだろう?そのギャップにやられるんだ。弱っているものに弱いなんて知ったら、萌音狙いの輩が何を仕掛けてくるかわからない。この話は私が認めた男、海音だけに言うんだからな。内緒だぞ?』

さすがの海音も、そんな萌音の優しい気持ちを利用しようとは思っていなかったが、期せずしてその優しさを体感する場面に同席している。

しかもその優しさの対象は海音自身なのだ。

萌音を怪我させようとしたあの怖い顔の男は絶対に許せないが、あいつがいなければこの状況は成り立たない。

モブのカルマメイトと思うことにして、海音は優しさ溢れる萌音を満喫することにした。
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