一級建築士の萌える囁き~ツインソウルはお前だけ~
萌音が肩を貸してくれた。

萌音も決して小さい方ではないが、海音とは20cm程身長差がある。

必死で支えようとする萌音の真剣な顔が可愛くて愛しい。

舗道からエントランス、エレベーター、玄関先へと移動する。

萌音と抱き合い?ながら、あの理想的な間取りと絶妙な配置の部屋へ向かうことができるなんて夢のようだ。

きっと海音が見たオープンハウスの時よりは生活感が増し、萌音の日常が溢れているに違いない。

デートの間中、海音は

゛どうやったら部屋にいれてもらえるだろうか゛

と何度、その事に思いを馳せたことだろう。

微妙なことなだけに、ここは無理強いして嫌われたくはない。

何せ海音も萌音も、男女間のことは絶対的な経験不足である。

『萌音は弱いものや、弱っているものに手を差し伸べずにはいられない優しい娘なんだ』

今、海音は、萌音に誘導されリビングのソファに座り柔らかい真っ白な手でゆっくりと靴下を脱がしてもらっている。

゛いつだったか、長嶺教授からそんな話を聞いたな゛

と、海音は足元にひざまずく萌音を見ながら、長嶺教授の話を思い出していた。
< 92 / 187 >

この作品をシェア

pagetop