転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~

 適当な大きさのスープボウルにご飯を盛り付け、焼きあがった豚肉を大量に載せる。数種類の野菜のピクルスをスライスして添える。
 焼きあがった豚肉と、甘辛のタレの香りが食欲をそそる一品だ。

「親子丼は、一人前ずつ卵でとじます。なので、完成までちょっと待ってくださいね」

 バットから具材とだし汁を一人前ずつ小さなフライパンに移す。温まったら、卵を回し入れて、蓋をして数分。とろりとしたら丼によそったご飯の上に載せる。
 三つ葉を飾りたかったけれどなかったので、かわりに香りのよいオストヴァルト帝国産のハーブを添えて完成だ。
 それぞれ好みの丼をよそった騎士団員達は、野菜たっぷりのスープをもらい、席に散っていく。

「……どう? おいしい?」

 ヴィオラはこわごわとたずねた。
 いつだって、初めて作った料理を振る舞う時は緊張する。
 だいぶ慣れてはきたが、この国の人達の舌にヴィオラの作った料理が合うかどうかという不安は、常にあるのだ。

「……うまい! これ、簡単に食べられていいですよ」
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