転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
「その点には自信がありました。なにしろ、陛下はティアンネ様に夢中でおられた。〝何者かにだまされた〟のだと訴えれば、陛下はティアンネ様の言葉を信じたでしょう。そうではありませんか?」

 リンデルトの言葉を、否定できなかった。
 たしかに、ティアンネ妃が戻って以来、皇帝は彼女との時間を大切にしている。
顔さえ合わせてしまえば、父の心を取り戻すことなどたやすいことだったのかもしれない。
 無言になったリヒャルトに向かい、リンデルトが、顔の前に指を一本立てた。

「……ひとつ、教えて差し上げましょう。この国に来た時、ヴィオラ姫の馬車が湖に転落した件」
「結局、犯人は見つからなかったな。あのあたりを荒らしている盗賊がいるという話もなかった――」
「あれは、ザーラ妃の手の者の仕業です。もっとも、殺すつもりはなかったようですが。脅しをかけるつもりが、護衛が優秀で本気になってしまったということのようです」


(……脅し、か)

 ここでもまた、ヴィオラの推測が当たっていたことを知る。
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