転生王女のまったりのんびり!?異世界レシピ~婚約式はロマンスの始まりですか!?~
 重苦しい空気の中での晩餐会ではあったけれど、ヴィオラがうつむきそうになる度にリヒャルトの手が背中に当てられた。それで、勇気をもらって乗りきることができたのだ。
 晩餐会のあと、隣室で待機していたニイファと合流したヴィオラは、リヒャルトとともに満月宮まで戻ってきた。
 そこで、太陽宮と満月宮をつなぐ渡り廊下の入り口のところに、ひとりの少年が壁にもたれるようにして立っていることに気づく。彼は戻ってきた三人を見ると壁から身を離し、小走りでこちらに近づいてきた。

「どうしたヴィオラ。ずいぶん疲れた顔をしているじゃないか」
「タケル様。待っていてくださったんですか?」

 待っていたのは、ミナホ国の王族であるタケルだった。
 現ミナホ国王の甥にあたり、今は母であるヤエコの命令で、オストヴァルト帝国で学んでいるところだ。以前は新月宮にヤエコや側近達と滞在していたのだが、今はヴィオラ同様満月宮で生活している。
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