死者の魂〜最期のメッセージ〜
「……そうか。よかった」

如月刑事は安心したように笑う。そして、お互いにゆっくりと電話を切った。

藍の耳元に如月刑事の声が残る。微笑んだ後、藍は仕事に戻った。



数日後、藍は福山美里を研究所に呼び出した。真実を伝えるためだ。

「……いよいよですね」

大河が呟く。今日で全てが終わるのだ。藍はコクリと頷き、福山美里が入って来るであろう扉を見つめる。

「大丈夫だ。何があっても俺たちがいる」

「気にせず真実を伝えてくださいね!!」

如月刑事と原刑事が力強く笑う。朝子、聖、正人も藍を安心させるように穏やかな表情をしていた。

「はい。ありがとうございます」

今日のために、みんな必死で事件を調べてきた。殺された人の無念を晴らすため、犯人を逮捕するためにーーー。

「こんなところに呼び出して、何?」

少し不機嫌な声で言いながら、福山美里が入って来る。今日は仕事がない日だと藍は聞いていた。
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