涙 のち 溺愛


「違う!違うんだって!!」

青山は真剣な眸で私を見据え、はっきりと言う。

私は、迫力に押されて、少したじろいだ。

「──俺、お前と二人で飲めなくなるちょっと前には、何となく自分の気持ちを自覚してた。

でも、お前は『もう恋愛は懲り懲り』って思ってるのもわかってて。

俺の気持ちは迷惑にしかならないって、どうにかお前から気持ちを離す努力をした。

あの後、俺、二人の子と付き合った。

で、俺、付き合いだしてから2、3ヶ月で、二人ともから同じ理由で、振られたんだぜ。

何て言われて振られたと思う?」

真剣な眸に、逃げたり茶化したりできなくて。

「───わかんない。
2、3ヶ月って、早いよね?

何かしたの?」

私は素直に思ったことを告げた。

青山の眸は、更に真剣さを増した。

「『他に好きな人がいるんでしょう』って言われた。」




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