【短】舞散れ、冬の香り。
そこに、何人かの女のコたちと通り掛かったのは、今私に微笑み掛けている彼だったりする。
彼は私に気付くと、さり気ない身のこなしで取り巻きの女のコたちと別れ、泣き崩れている私の元に来て、ぐいっと自分の方へ引き寄せた。
「な、に…?私のことなんて放っておいてよ…」
「泣く時はこうやって、誰かにもたれて泣いた方がいいよ?」
私は、こいつはなんてバカで格好付けで、そして嫌味な男なんだろうと思った。
そんなことされたら、余計に惨めになってしまうじゃないか。
だから、ついつい意地を張って、どんっと彼の胸を突き放した。
「振られたばかりだからって、すぐに落ちるような女だなんて思わないで」
そういって、ぼろり、とまた涙をこぼす私。
泣くもんか、泣くもんか、そう思えば思うほど、悔しいくらいに涙は次々と頬を伝う。
それを見ていた彼は、もう一度…今度は一切の拒否権はないと言わんばかりに、私の後頭部にそっと手を置いてから、自分の胸元へと閉じ込めた。
「そんな風に、なんて思ってないから…」
と、囁いて。