【短】舞散れ、冬の香り。
それ以来、何かにつけては人に絡んでくるこの男。


私は、苦虫を潰したような顔をしつつも、彼の横を歩く。


「そんな可愛くない顔してると、美人が台無し」

「うるさいわよ。てか、美人じゃないから」


なんて、半分痴話喧嘩のような、会話を聞いても誰も本当に気に留めない。



もしかしたら、彼なりに気遣ってくれているのかもしれない。


けれど、プライドがエベレストよりも高い私は、素直にそれに対して甘えることが出来なかった。



なびくわけなんて、ないじゃない。



こんな、おちゃらけた優男になんか。


私は腰に手を当てて、ぴたり、と歩を止めた。



「…?どうしたの?内海さん?」

「あのさ、同情とかそういうの、いらないから」





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