思いを乗せたカクテルをあなたに
大量の蛇に足を取られ、何度も転びながらカミラは走って近づく。

「うぐっ……」

カミラは、大蛇の攻撃をくらい、吹き飛んだ。地面に叩きつけられたカミラは、浅く息をしながら体を起こした。

「コナミ様を離してください」

カミラは、アーサーに向かって言う。アーサーは、飛んでくる攻撃を軽々と避けながら「簡単に離すものか」と笑った。

「あなたは、なぜコナミ様を攫ったのですか!?」

「……たまたまだよ。僕が封印から目を覚まして、フラフラと歩いてたら小さな神社を見つけてね。そこに居たのが、たまたまこいつだったってだけだよ……話に夢中になっているのは良いけど、周りには気を付けといた方が良いと思うよ?」

アーサーの言葉に、カミラは辺りを見渡す。何匹もの蛇が、カミラに噛み付いた。蛇がカミラから離れた瞬間、カミラの体はグラりと揺れ、地面に倒れ込む。

「カミラさん!」

洋子は、カミラに近づいた。カミラは、浅い呼吸を繰り返す。

「……大丈夫。死にはしないからさ。だけど、気絶も出来ないだろ?そうなるように、僕が威力とかを調節したからさ。どうだい?苦しいだろう?」

愉快そうに笑うアーサーを見た洋子は、恐怖からか身体を震わせる。

「……カミラさん。しっかりしてください!」

洋子は、カミラに話しかける。カミラは、洋子と目を合わせて、微笑んだ。

「カ、ミラ……?」
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