愛は、つらぬく主義につき。 ~2
2-2
お雑煮とおせちで、のんびり目な元旦の朝を迎え。
いまだに哲っちゃんとママ、仁兄からありがたくお年玉をいただく。

「たまにはさー、息子と弟にあげたくなんないの?」

遊佐がわざとらしく嘆いたけど、父と兄に『真にくれてやっても、つまらん』って声を揃えてあっさりフラれてた。
後でちゃあんと、あんたにも還元するってば。
思わず笑っちゃったら、ふーん?て上から目線で、いきなり噛みつくみたいなキス。なにそれ、八つ当たり??







お昼過ぎにまた、全員で本宅に向かう。
瑤子ママは新年会の準備があるのと、その前に新年の挨拶に来るお客もいるから、哲っちゃん達もなにかと忙しい。

ちなみに。初詣は毎年、諸事情により自粛。・・・万が一、襲撃されるって可能性もゼロじゃないし。
破魔矢だの、家内安全、商売繁盛の熊手なんかは。詣で客が何万人レベルの有名な神社のを、若い衆が壮絶な苦労しながら買ってくるらしいんだけど。たいがい一人二人、遭難する犠牲者が出るって葛西さんが言ってたっけ。
みんな無事に帰って来られるように、八百万の神様に祈っとこ。


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