愛は、つらぬく主義につき。 ~2
座敷に戻ってからはまた遊佐の隣りで、挨拶のお酌に来るご機嫌取りのオジサマ達を相手に愛想を振りまく。
時折り相澤さんの方が気になって何気なく目を走らせてみても、思ったより離れててどんな様子かまでは。

藤さんも釘を刺してたし、西沢さんも気にしてくれてるハズ。それに高津さん(あのひと)の空気はなんていうか、殺伐としてた感じでもなかった。冷静で理性的な。・・・あるいは逆にそっちが厄介なのかもしれない。ふと思った。

力で解決するほうがある意味、カンタン。(から)め手でじわじわ(なぶ)る仕掛け方は、相手を長く苦しめたいから。もしかして。高津さんの狙いって、そこ・・・?

どうやらシノブさんも、ワケありを承知のうえで高津さんを連れてきたみたいだし。相澤さんとは兄弟分なのに、どういうつもりで・・・。内心でもう何度目か分かんない溜め息が漏れた。

もちろん、あたしなんかが立ち入れる領域(もんだい)じゃないって分かってるけど。
織江さんのシアワセを壊すっていうなら。やっぱり黙って見過ごせない。

そう言えば藤さん、シノブさんを呼び捨てにしてた。どういう関係?? ユキちゃんならぜんぶ知ってる? 


豪快に笑ってる二の組の幹部のオジサンと、杯を交わし合ってる遊佐を、よそ行きの笑顔で見守りながら。頭の中は晴れやかな新年気分も半分で。

あとでこっそりお参り行って、キッチリ厄払いしてもらお! 
固く決心したあたしだった。


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