愛は、つらぬく主義につき。 ~2
「・・・イジワル言わないでよ」

泣きそうになって、弱々しく。
そんな風に言われたら、もう何も言えないって分かってるくせに・・・。

すがるように躰をすくませたあたしを、真はさっきよりもきつく抱き締めた。

「どっちが? ・・・なにがあってもオレが守るって言ってんのに」

子供をあやすみたいに髪を撫で、頭の天辺から順に口付けが降りてくる。
おずおずと顔を上向かせれば、やんわり唇が塞がれた。啄んでは離れ、舌で優しくなぞられる。

遊びで終わるかと思ったら。後ろ頭を捕まえられて逃がしてもらえない。
いつの間にか着てた部屋着も脱がされて、キスが広がってく。
あたしを鳴かせるだけなら、真はお風呂じゃなくてもいくらでも。



・・・ずるいやり方。
自分を譲らないし、あたしに話もさせない。
でも『愛してる』って。躰中に憶えさせるの。

ほんとにずるい・・・。




追い詰められてくあたしを容赦なく、もっと追い詰めて。

「・・・まだだよ宮子。いいって言うまでガマンして」

妖しく耳許に囁かれる。




・・・ねぇ真? 結婚が決まってから、なんかちょっと性格変わってない・・・?
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