溺愛なんてされるものじゃありません
「高成と何かあったのか?」

主任は心配そうな表情で私に話しかける。

「何も…ないですよ?今日は楽しかったし。」

「とにかく風邪引くから部屋で話そう。」

そう言ってブランコに座る私に手を差し出してきた。その手に私は自分の手を乗せる。

「手、冷たくなってるじゃないか。早く行くぞ。」

私達は手をぎゅっと繋いでマンションに戻る。恥ずかしかったけど、繋いだ手に心地良さを感じていた。

そしてそのまま主任の部屋に入ると、主任は温かいお茶を入れてくれた。

「ありがとうございます。」

私は床にペタンと座りお茶を飲む。温かいお茶が体の中をすうっと通っているのが分かった。

「私…高成さんに告白されました。」

お茶を飲んで少し酔いも落ち着いた私は、俯き加減でゆっくり話を始めた。

「告白?良かったじゃないか。高成は性格もいい男だぞ。」

「いい人ですよね、高成さん。私には勿体ないくらい。告白されて嬉しいはずなのに…私、返事が出来なかったんです。」

「何で?」

「そんなの…分かりません。でも高成さんから見た私のイメージって、本当の私と全然違うんですよ。」

「確かに会社での赤崎しか知らなかったら、俺も外見から可愛らしい癒し系なイメージを持ったかもしれない。でも高成はどんな赤崎でもちゃんと受け止めてくれると思うぞ。」

そう言いながら主任は微笑んでくれた。干物系女子の私を受け止めてくれるのかな…いや、ドン引きされる姿しか想像できない。

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