【短編】そのままの君が一番大好きだ
そう言うと、君は笑顔で微笑み、私の頭を撫

でた。

「お前は俺なしでも生きてけるよ。そのまま

のお前を好きになるやつは、絶対現れるから

。」

その言葉に、私はドキッとした。

なんで、そんなこと言うの?

なんで、こんなに好きなのに…。

私は…、私は!!

「ずっと、好きだったんだよ。」

その本音は、その場ではこぼれることはな

く、そして、それが君と最後に話した会話と

なった。

君は、昔から体が弱かった。

難病を抱えながらも、普通の人のように生活

を続け、入院を拒んでいた程だったらしい。

私に打ち明けなかったのは、心配させたくな

かったと、君の両親から聞いた。

今でもあの言葉がフッと聞こえてくるような

感覚になる。

『そのままのお前を好きになってくれる人

は、現れるから。』

私は、空に向かって泣いた。

君とちゃんとお別れできなかった分泣いた。

『君を好きになってよかった』って…。

そして、『ありのままの私を好きになってく

れてありがとう』って。

届きそうで届かないその背中は、永遠に叶わ

なくなったけど、後悔をすべてここにおいて

いくから大丈夫…。

貴方は私のここにいるから。

そう言い、胸元にソッと手を添え私は私の、

新しい道へと進んでいった。

自分を好きなれた今、君のいないこの街

で…。



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