神様がくれたプレゼント
私は大丈夫。1人になっても、あの曲があるし、翔との思い出があれば生きていける。

着替えと、ちょっとした身の回りの物をスーツケースに詰めた。


ピンポーン。

こんな時間に誰?翔は、今日帰らないって言ってたし……。慶大さんかな?翔の着替えを取りに来たのかな?

でも……。インターフォンの画面に映っていたのは、綺麗な女性だった。

「Sho、いないの?」

ショウ?誰?

「突然、来て驚かせようとしたのに……」

どういうこと?

「本当にいないの?」

……。

「また来るから。ショウ、これだけは言っておく。やっぱり、私、あなたのことが忘れられない。また、連絡するから」

……やっぱり、私は邪魔者ね。ここは、私が翔に助けてもらった時に、引っ越したって言ってた。あの女性はさっき翔と一緒にいた人じゃなかった。どういうこと?翔は、遊びで女性と付き合うの?私には飽きたから他の女性に住んでる場所を教えて、私が出ていくように仕向けたってこと?

あ〜ぁ、最後の最後で、嫌な思い出のほうが
強くなっちゃったなぁ。

でもこれで、私が邪魔者だということは
はっきりした。


でもショウって言ってたなぁ。
あっ、でも翔は、ショウとも読めるから間違えたのかな?それとも……。二股とか?

まっ、まさかね。もしかして、もっとたくさんいるとか?翔なら、モテるし、女性が放っておかないか。

ははっ。

もう、わかんなくなっちゃった。でも、お世話になったのは、確かだ。それにこれ以上、迷惑をかけることだけはしたくないから、手紙だけは残しておこう。

私は、翔に手紙を書き、この部屋を後にした。

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