神様がくれたプレゼント
9、翔の気持ち 翔Side

毎日が充実していた。
家に帰ると、美桜が笑顔で迎えてくれる。
仕事は、常に気を張っていなきゃいけない。
だから余計に美桜がいる家が1番癒やされた。

「早く美桜に会いたい」

ボソッと、言った言葉は、
慶大さんにも聞こえていた。

「Sho、聞こえてるから。あまり、声に出すなよ。誰が聞いているか、わからないんだから」

「……うん。そろそろ俺……」

「本当のことを言うのか?」

「慶大さん、よくわかったね」

「ずっと、翔のことを見てきたからな」

「いつもありがとう。本当に慶大さんは、兄貴みたいだなぁ」

「俺は、マネージャーでもあるがお前の幸せを1番に願っているから」

「でも、俺の行動で、会社にも慶大さんにも美桜にも迷惑がかかるから」

「美桜ちゃんは、お前のこと何も知らないからぁ」

「……そうなんだよ。本当のことを言って、嫌われたらどうしようって。情けないけどね」

「翔の初恋だもんな。あぁ、俺もそんな時、あったなぁ……」

「慶大さんは、好きな人いないの?」

「えっ?まぁ、今はそれどころじゃないからなぁ」

「ごめん。俺のことでバタバタだもんね」

「これからどうするか慎重に考えないといけないからな。今度のアルバムでShoの姿を世間にさらけ出すかまだ謎のままでいるのか……」

「……」

俺は、言葉に出せなかった。Shoの歌はかなり人気があるがどんな人物なのか世間の人は知らない。そのことについて毎日ミーティングをしていた。今回のアルバムは今までの思いを込めた。だからこそ、そろそろ姿を出してもいいんじゃないのかっていう話になったのだ。

「そういえば、最近、花蓮と会ってるんだって?」

「うん、俺をモデルで使いたいらしい」

「はぁ?それはマネージャーの俺を通せって言っておけよ」

「嫌だよ〜。姉ちゃん怒らせたら、マジ恐いんだから。慶大さんも知ってるでしょ?」

「あぁ、確かに。アイツはマジ恐え……」

「ははっ」

姉ちゃん、慶大さんに何したんだよ。
ここまで怖がらせるとはな。

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