ずっとキミしか見えてない
 どういう意味で光雅くんが、こんなことを言っているのか。

 助けを求めるように、光雅くんに視線を送る私。

 彼は私を一瞥した後、良悟くんに視線を戻して何やら言いかけた。

 ――しかし。


「あ、よかった、まだ帰ってなかった。月島―! 大学のことを前に俺に相談しただろ? 調べたから話したいんだが。今から進路室に来れるか?」


 教室の入り口からそう言ったのは、一年生の学年主任の先生だった。

 進路指導の先生でもあり、進学のことで悩んだら相談するようにと入学式の時に言っていた覚えがある。

 先生の話からすると、どうやら光雅くんが大学のことを先生に相談していて、その話を今からしたいということらしい。


「……はい。行きます」


 光雅くんは俯きながらそう返事をすると、立ち上がって私たちに背を向け、先生の方へと歩いて行ってしまった。

 良悟くんが来る前に言いかけたことと言い、今ふたりが言い合っていたことといい、気になることがいっぱいなのに。

 でも先生に呼ばれたんなら仕方ないかあ、と残念がる私だったが。
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