君と紡ぐ物語は、甘くて愛おしい。
私、忘れてたよ。知愛いないんじゃ、凜は必ず私についてくるじゃん。1人じゃ過ごせない人だったな、この子。
ということで、私の必殺、空元気!
これでもかと笑顔を押し付ける私。
だけど意外と、私と2人の時はそこそこついて行ける話題にしてくれるようで。
「今日飛鳥ちゃん、カラコンしてるー?」
「え、あー分かる?」
「分かるよー!けどあれだね、ジッと見ないと分かんないやつ。いいな、可愛いー!」
ああ…可愛いって言われるのは、やっぱ普通に嬉しいんだな。これは、女子だから言ってくれる。
「ありがと。凜もカラコンとかすれば良いのに」
「コンタクト着けるの全然できないんだもん」
「うん、それは眼科行って頑張れ」
お昼ご飯を食べ終わると、そこそこな時間まで各々携帯をいじっていて、ふと時計を見た私が
「そろそろ着替えようか」
と言って、やっと動き出す。
体育館に着いて、凜が急に言ってくる。
「…あ!てかさ、今3人でやってるよね?ダンス」
「うん。そうだね」
夏休みをまたいでしまって忘れかけていたが、7月からは好きにグループ組んでダンスしてたな。
「2人で練習だね」
「どうしよう、フォーメーションの話とかできなくない?」
「んー…ああじゃあ、今までの復習しよ」
「おお!飛鳥ちゃん天才だ!」
そんな大層なこと言ってないんですが。