君と紡ぐ物語は､甘くて愛おしい｡

その感じだと､飛鳥ちゃんも全然気付いてないだろうな｡


｢…つか､頭ポンポンに関しては､気持ちを察したからこそなんだけど｣

｢後輩になんざ渡さない､てことですか｣

｢…お前は､俺をどうしてもライバルにしたい？｣


飛鳥ちゃんのこと本気にさせるの､佐倉くんの方が早そうだから嫌だな｡


｢あからさまに嫌だって顔するのな｣

｢絶対嫌です｣


佐倉くんはフッと笑う｡
端正な顔立ちだからか､そんな微妙な笑い方すら画になるんだな…｡そうなりたいなぁ｡


｢…今度は何？この人カッコイイなぁ…っていう目で先輩を見てる女子マネみたいな｣

｢女子マネって所以外は合ってます｣

｢…自分で言ってて恥ずかしくなるんだけど｡カッコイイとか言っちゃったじゃん｣


とか言いつつ､顔にあまり出ないんですね｡


｢そろそろ理由聞きたいんですけど｣

｢ああ…はいはい｡逆に聞くけど､どんな反応してた？俺に頭ポンポンされちゃった妹尾は｣

｢ポカンとしてた｣

｢照れてる様子は？｣

｢全く｡…戸惑い､かな｡飛鳥ちゃんも､俺も｣

｢…もう分かんだろ､俺に気が無いって｣

｢だけど､佐倉先輩は気があるように見えます｣

｢…無い､んじゃない？｣

｢歯切れが悪いですけど｣


彼は困ったように目を逸らした｡