A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察


「自分のカラダのこと、ちゃんと考えてる?」



下を向いたまま、
杏は何も答えられなかった。



「今はまだ薬が効いているから大丈夫かもしれない。

けど、いつまた悪化するか分からないんだよ」


先生の言葉を素直に聞きながら、
自分の甘さを痛感させられる。



杏のことを優しく諭すように、
きちんと叱ってくれる先生の言葉に、



胸がみるみる苦しくなってくる。



先生はどんな時でも杏を励まし、
優しい言葉で応援してきてくれたのに、



自分は何も変われていない気がした。
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