恋は、二度目のキスのあとで―エリートな彼との秘密の関係―
穏やかな雰囲気に、自然と気まずさは消え、手が触れ合っているというのにまるでそれが当然のような感覚に包まれる。
率直に、このひとの温度や雰囲気は落ち着くなと思った。
合う合わないで言ったら、きっと合うんだろう。
しかし、この北川さんと付き合っておきながら他のひとと浮気なんてもったいないな。
無意識にそう思い……追って、そんな自身の考えに戸惑う。
だって、もったいないってことは、私はそれなりに北川さんを買っているってことだ。
……でもまぁ、顔立ちがここまで整っているんだし、その上仕事だってできるのだから当然といえば当然か。
ポン、とあまりに自然に浮かんでしまった素直な感想。
それを正当化するようにひとりで納得する。
触れたままの手が、熱を帯びている気がしたのは気のせいだろうか。