恋は、二度目のキスのあとで―エリートな彼との秘密の関係―
たしか、女性相手にプライベートの話ができないってことだったっけ。
北川さんも、〝仕事なら問題ない〟って言っていた気がするし、これだけ食事を一緒にしていても、北川さんからプライベートなことを話してくれたことはない。
聞けば答えてくれるのかもしれないけれど、それじゃあたぶん、あまり意味はないんだろう。
すると、やっぱり無意識だとしても私にも苦手意識があるのかもしれない。
明日、せっかく電話するなら、北川さんのことを色々聞いてみよう。
北川さんにとっては電話をかけることがひとつ目の難関だろうから、明日は私から聞いてみて、それに答えてくれたらそれでいい。
そのうちに、日々のなんでもないことを北川さんから話すようになってくれたらいいなぁ。
そんな期待をしながら、残りひとくちとなった杏仁豆腐をスプーンですくった。