シンデレラには····程遠い
その先へ

···挨拶


絢斗さんは本当に
父と母に挨拶をした。

「あのね。
会って欲しい人がいるの。良い?」
「あら?鈴香から
そんな話があるなんて。
お母さん、嬉しいわ!!」
「うん。お父さんの都合は?」
「それがね、お父さん
驚いて、ワナワナしてるの。
また、聞いてから
連絡するわね。」
「うん、わかった。
お母さん、ごめんね。」
「何言ってるの。
さっきも言ったけど
お母さんは、凄く嬉しいんだから。
お父さんの事は、任せといて。」
「うん、ありがとう。」
と、言って電話を切ると
絢斗さんは、ニヤリと笑っていたから
「もぅ·····
「母上は、
喜んでくれているようで良かった。」
と、言うから
「私、今まで彼とか
いたことないから
お母さんのテンション上がっていて」
と、話してると
絢斗さんは、私を軽々と抱き上げ
自分の膝に乗せて
「俺は、鈴香の初めての恋人で
一生の伴侶か。良いな。」
と、言いながら
キスを何度もする
「絢斗さんて、キス魔ですか?」
「ん?嫌、鈴香にだけだ。」
と、平然と言うから
私は、真っ赤になるしかなくて
本当に、絢斗さんにはかなわない。

翌日にお母さんから
連絡があって

今週の土曜日のお昼に
と、言われた。

絢斗さんは、忙しいと言っていたけど
と、思っていると
「潤、すまないが
土曜日は、スケジュールを開けてくれ。
ああ、頼む。」
と、言って電話を切ると
私を見るから
「大丈夫ですか?」
と、訊ねると
「問題ない。
鈴香の方が大事だ。
鈴香の両親にもお会いしたい。」
と、言ってくれる。

私は嬉しくなって
絢斗さんの首に抱きつくと
絢斗さんは、優しく私の背中を
撫でてくれて
「鈴香。俺は、お前を縛る事になる
だが、鈴香の未来は鈴香のものだ
お前の好きなようにしてほしい。」
「私は、フランス語を
活かせる仕事がやりたいと
思っていますが······
まだ、具体的には。」
「ああ、鈴香のフランス語は
素晴らしいからな。
しっかり考えたら良い。」
と、言う絢斗さんに
「はい。」
と、答えた。
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