シンデレラには····程遠い
一人

絢斗さんが、日本に帰ってから
10日が過ぎた。

寂しくて泣いてばかりいた。
だが、絢斗さんに
「鈴香、言っただろ?
三年しかないんだ。
悔いの無いようにやるんだ。
鈴香ならできる。
良い先生になる。
わかったな。」
と、テレビ電話で話してくれる。

呆れられているかも、知れないと
思うが、寂しかった。
絢斗さんの温もりを知ったから。

「鈴香、愛してる。」
と、優しく輝く青い瞳に
言われて·····
「···わた···し···もっ···」
と、言うと
ふっ、と笑ってくれる。

「頑張ります。」
と、言うと
「ああ、お前なら出来る。」
と、言われて、頷く。

こんなことでは、私を推してくれた
教授に迷惑かける事になる
それに、絢斗さんが言うように
三年しっかりやろう。

悔いの無いように。

鈴香は、この日
遅くまで、翌日の準備をした。

今までと違う雰囲気をまとう
鈴香に生徒達もびっくりしていたが

鈴香の
フランス人には日本語を
日本人には、フランス語の指導は
分かりやすく評判が良かった。

鈴香は、生徒に分かりやすく
いろんな事を知って欲しくて
歌や絵本、おとぎ話や民話
いろんな物を取り入れた。

必要な物は絢斗が
取り寄せてくれた。

絢斗も、鈴香の頑張りが
嬉しかった。

自分を想い泣く
鈴香も堪らなく可愛かったが
それは、本人には言わずにいよう。

フランスは、9月から翌年の7月の
周期となっている。

12月には、お休みに入るので
日本へと帰国する

実家に帰ったり
絢斗さんと過ごす事に······
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