シンデレラには····程遠い

今日は、新たなHOTELの
オープンの日。

絢斗さんがデザインをした。
建築家の方と何度も何度も
打ち合わせを繰り返し

私の大好きなフランス建築を
取り入れてくれて·····と。

快斗さんが教えてくれた。
 
《 CLOCHE 》クロシェット

 フランス語で·······

   ❝ すず ❞

オープンパーティには、
初めて絢斗さんと一緒に
出席をする。

私からお願いした。

「もし、ご迷惑でなければ
  一緒に出席させて頂けませんか?」
と、どきどきしながら
帰宅した絢斗さんに伝えると
一瞬だけ、目を開き
「ありがとう。
一緒に出席して欲しい。」
と、言われて
ほっとしたら
直ぐに抱き締められて
「悩んだんだ。
鈴香に無理をさせたくない。
だが、一緒に出席できたら、と。」
「うふふっ。ありがとうございます。
 絢斗さんも悩むのですね。」
「ああ。鈴香がらみだけだ。」
と、言われて真っ赤になると
「いつまでも初々しいな、我妻は。
いつも俺を虜にする。」
と、言われて
沢山キスをされて
私は、ぐったり。

そんな経緯を思い出していると
「何を考えてる?」
と、私の腰に腕を回し
頭にキスをする絢斗さん。
「あの日の事。」
「ん?鈴香が出席したいと言ってくれた?」
「はい。」
と、答えると
「嬉しかった。
鈴香を想いデザインしたからな。」
「はい。ありがとうございます。
私は、こんなに素晴らしくは
ありませんが。
まるで、フランスにいるような
感覚に囚われて不思議な空間です。」
「知っていたのか。
  あ〜、あいつだな。」
「えっ、口止めされていませんよね。」 
と、現れた快斗さんを
ジロリとみた絢斗さんに
快斗さんは、肩をすくめる。
「快斗さん。
ありがとうございます。」
と、言うと
「義姉さん。綺麗ですよ。」
「うふっ、ありがとうございます。」
と、言うと息を飲む快斗さん。
「社長、鈴香さん、快斗
 時間となりました。」
と、潤さん。
「潤さん、ありがとうございます。」
と、言うと
またまた、息を飲む潤さん。

そんな、二人を気にしながら
絢斗さんに連れられて
会場へ。
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