それは一夜限りの恋でした
ゆっくりと蓮が動きだす。
ただひたすらに互いを求めあった。
疲れ果てて眠りに落ちたのは、カーテンの隙間から白く光が差し込みはじめた頃だった。



早朝の改札の前で、黙って立ち尽くす。
私の手を握る蓮も黙っている。

「……じゃあ、元気でな」

「……蓮も元気で」

見上げた彼の、眼鏡の向こうの瞳は真っ赤に充血していた。
きっと私も同じ目で彼を見ているだろう。

少しずつ、絡んだ指が離れていく。
全部離れた瞬間、蓮に力強く抱き締められた。

「千華が好きだ!
愛している。
本当は離したくない」

「蓮……」

彼を見上げ、精一杯の笑顔を作る。

「蓮は奥さんのところに行かなきゃ。
そうですよね?」
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