ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋
時計を確認すると既に午前3時を回っていたけれど、祐希と夜道の散歩をして来たのがよかったのか、さっきまでのイライラが嘘のようにスッキリと消えてしまっていた。
『私、ひとりじゃないんだなぁ。』
日詠先生も頑張っているから、私も頑張れる
そういえば祐希が産まれたばかりの頃、抱っこすらできない自分自身が情けなくなった時もそんな想いを抱きながらなんとかここまでやってこれた
仕事に出かけている日詠先生は、今はすぐに触れ合えるところにはいないけれど
心の中ではすぐ傍にいてくれる
こんなに心強いコトはないよね
こんな私でも、もし、日詠先生にしてあげられるコトがあったら、何かしてあげたい
どんな些細なコトでもいいから何かしてあげたいな・・・
そう思いながらも自分が彼に何をしてあげられるかをなかなか思い浮かばない私はまたもや冷蔵庫の中を覗き込んでいた。
『塩鮭・・かぁ。』
昔、お母さんによく鮭のまぜ寿司を作ってもらったな
茗荷も入っていて、その独特な香りがして
私、たくさんおかわりしてた
作り方も教えて貰ったな
日詠先生もよく食べてたのかな?
作り方も教えて貰ったのかな?
ホットミルクを彼に教えたらしいお母さんから
久しぶりに、鮭と茗荷のまぜ寿司作ってみようかな
それなら、先生が遅く帰ってきてもさっぱりと食べられそうだし
『よし、作ろう。鮭と茗荷の混ぜ寿司~!!!!』
結局、日詠先生の為にしてあげられるコトが思いつかなかった私は冷蔵庫の中にあった塩鮭が入ったトレーを手に取り、明日の夕食を鮭と茗荷のまぜ寿司にする事だけを決めて再び眠りについた。