ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋
私の願い、伝わってしまった
もう彼には戻れない
甘えたくても戻れない
自分で決めて自分で伝えたのに
私、もう後悔してる?
でももう戻れないんだよ
私は彼の妹だって割り切って
今はもうスキでもない人と一緒にならなきゃいけないんだよ
自分にとって大切な人達が幸せになるために自分が強くなるしかないんだよ
奥野先生
そのままのアナタでいてって言ってくれたのに、ごめんなさい
自分は彼がスキという気持ち、自分の心の中に閉じ込めちゃった
そのままでいられなかった
入江さん
何があっても彼の手を、日詠先生の手を離すなって言ってくれたのに
自分から彼の手を離してしまった
約束、守れなかった
ごめんなさい
福本さん
アナタがちゃんと幸せでいられる方法を選べるようにじっくり考えてって言ってくれたのに、私にはそんな余裕はなかった
ごめんなさい
でも、日詠先生にあの場所でもう二度とあんな辛い出来事を想い起こさせないようにするから
私、あなた達が私の背中を押してくれたのを決して無駄にしないように
努力するから
強くなるから・・・・・
私はそんなことを自分に言い聞かせながら暫くの間、右手だけでなく身体までもドアに預けたまま泣き崩れた。
このウチに来て、初めて孤独を感じた夜を
私はずっと泣いて過ごした。
とてつもなく長く
とてつもなく寂しい
そんな夜を過ごした。