ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋
「間もなく、電車が参ります。白線の内側まで下がってお待ち下さい。」
低くしゃがれ声をした駅員のアナウンスが響いた。
けれども、覚悟を決めていた私は白線の内側から外側へと跨ぐ。
「危ないですよ!!!!! 下がって下さい!!!!」
駅員のアナウンスが大声になっても、私は怯むことなく前へ進む。
あと、2、3歩前へ行けば楽になれるはず
真里、ゴメンね。明日、新栄のカフェでランチする約束してたのにね・・・・
かけがえのない大学時代を送る事ができたのは真里がいてくれたお陰だよ
お父さん、お母さん、ゴメンなさい
本気で付き合ってた彼氏に三股かけられてて、おまけに解雇までされちゃった
それまでの人生、筋書き通り完璧だったのにね
今になって壁にぶつかりまくりだよ
自業自得なこともあるけどね
もうどうしていいかわかんなくなったから、私も今からそっちへ逝くね
怒らないで、温かく迎えてくれるよね?
だから、そろそろ、 一歩前へ・・・・・・・・・
「何やってるんだ!!!!!!」