隣の家にはヤンキー(?)が住んでいます
ー...。
「はなー!じゃあね!」
放課後になって麻衣ちゃんは部活に向かう。陸上部のエースらしい。
麻衣ちゃんみたいに得意な事がある訳ではない私は帰宅部を選んだ。
いつもみたいにすぐ帰ろうか迷ったけど今日出ている課題を終わらせてから帰ろう。
「よし!」
1人残った教室で気合いを入れる。量もそんなに多くないし直ぐに終わらせて帰ろう。
そう思って教科書と問題集を開いた。けど。
考えても考えて全くわからない。
教科書とにらめっこ...というか睨み合いをしてなんとか課題を終わらせた時には下校時間ギリギリで外は暗くなっていた。
ローファーに履き替えて外にでる。7月だというのに暗くなると少し肌寒い。
いつもは歩いて帰るけど今日はバスで帰ろうかな。電車でもアリだな。
そう思って急いで時刻表を調べていたら電車があと10分位で発車する所だった。
駅までは歩いて5分くらい。走らなくても間に合うか。
駅に向かおうとしたら私の前に自転車が止まる。知らない人が乗っていた。
「ここから朝丸商店街ってどう行くんかね?」
おじさんが私に聞いてくる。その商店街はお店もない廃れた場所だった。そんな所になんの用があるんだろう。
「そこならこの道を真っ直ぐ行って右手にありますよ」
1番簡単な道を教えたつもりだったけどおじさんは納得いっていない顔をしていた。
「んー...。おじさんあんまりこの街分かってないからぁ」
「でも...真っ直ぐ行くだけなんで...。」
何回言ってもおじさんは納得してくれなかった。
「そうだ!一緒に来てくれないかな?」
そう言われた時に身の危険を感じた。逃げなきゃ。そう思ったけど相手は自転車。追いつかれることは目に見えてるから無理だった。
助けを呼ぼうとして口を開く。けど声が出なかった。
何も出来ない私を見ておじさんは笑顔になる。
「来てくれるんだね!ありがとう!」
腕を掴まれたのに。嫌なのに。怖くて声が出なかった。
こわい。たすけて。
誰か、って思って考えたけど1番に思いついたのは。
大切な家族でもなく、大好きな麻衣ちゃんでもなく。
今日廊下で見た純季くんだった。
絶対来てくれるわけないのに。私のことなんかもう覚えてないだろうに。
そんな悔しさと恐怖で涙が溢れて来るけどおじさんは腕を離してくれなかった。
「泣いてるの?大丈夫だよ。おじさんが慰めてあげるからね。」
掴んでいる方とは反対の腕が伸びてくる。
何も出来ない自分が嫌いだ。
そう思いながら怖くて目をつむった
「はなー!じゃあね!」
放課後になって麻衣ちゃんは部活に向かう。陸上部のエースらしい。
麻衣ちゃんみたいに得意な事がある訳ではない私は帰宅部を選んだ。
いつもみたいにすぐ帰ろうか迷ったけど今日出ている課題を終わらせてから帰ろう。
「よし!」
1人残った教室で気合いを入れる。量もそんなに多くないし直ぐに終わらせて帰ろう。
そう思って教科書と問題集を開いた。けど。
考えても考えて全くわからない。
教科書とにらめっこ...というか睨み合いをしてなんとか課題を終わらせた時には下校時間ギリギリで外は暗くなっていた。
ローファーに履き替えて外にでる。7月だというのに暗くなると少し肌寒い。
いつもは歩いて帰るけど今日はバスで帰ろうかな。電車でもアリだな。
そう思って急いで時刻表を調べていたら電車があと10分位で発車する所だった。
駅までは歩いて5分くらい。走らなくても間に合うか。
駅に向かおうとしたら私の前に自転車が止まる。知らない人が乗っていた。
「ここから朝丸商店街ってどう行くんかね?」
おじさんが私に聞いてくる。その商店街はお店もない廃れた場所だった。そんな所になんの用があるんだろう。
「そこならこの道を真っ直ぐ行って右手にありますよ」
1番簡単な道を教えたつもりだったけどおじさんは納得いっていない顔をしていた。
「んー...。おじさんあんまりこの街分かってないからぁ」
「でも...真っ直ぐ行くだけなんで...。」
何回言ってもおじさんは納得してくれなかった。
「そうだ!一緒に来てくれないかな?」
そう言われた時に身の危険を感じた。逃げなきゃ。そう思ったけど相手は自転車。追いつかれることは目に見えてるから無理だった。
助けを呼ぼうとして口を開く。けど声が出なかった。
何も出来ない私を見ておじさんは笑顔になる。
「来てくれるんだね!ありがとう!」
腕を掴まれたのに。嫌なのに。怖くて声が出なかった。
こわい。たすけて。
誰か、って思って考えたけど1番に思いついたのは。
大切な家族でもなく、大好きな麻衣ちゃんでもなく。
今日廊下で見た純季くんだった。
絶対来てくれるわけないのに。私のことなんかもう覚えてないだろうに。
そんな悔しさと恐怖で涙が溢れて来るけどおじさんは腕を離してくれなかった。
「泣いてるの?大丈夫だよ。おじさんが慰めてあげるからね。」
掴んでいる方とは反対の腕が伸びてくる。
何も出来ない自分が嫌いだ。
そう思いながら怖くて目をつむった