一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


目の前に来た彼はプリンの乗ったお皿を私から取り上げると困った表情をして呟いた。






『、、どうかされましたか?何か辛い事でも?紗江さんは気づいてないでしょうけど、今日はずっと変ですよ。無理して笑っているようなそんな感じです。』

「無理なんかしてないよ、、。」

『俺がどれだけ紗江さんの事を見てると思っているんですか?見れば分かります。それに、、手が震えていますよ。最近は退社する時に途端に顔色が悪かったですし、何かあったんじゃないですか?紗江さんが話してくれるまで待とうと思っていましたが、もう限界です。紗江さんが心配で仕方ないんです。、、話してくれませんか?』








膝の上に隠していた小刻みに震える手に彼の大きな手が優しく覆ってくれる。

その手があまりにも優しくて泣きそうになった。






そして同時に、あぁ、、この人に隠し事なんて出来ないんだなと思った。



優しく包んでくれた手をぎゅっと握って覚悟を決めた。
















「、、実は暁人くんに大事な話があるの。」

『はい、、なんでしょう。』

「ここ最近ね、ずっと誰かに見られているような視線があって少し怖かったの。」

『っ、、!?今すぐ警察に行きましょう!!!!』




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