一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


ディスられているのか慰められているのかよく分からなかったけど、不器用な優しさだけは伝わってきて自然と微笑んだ。












「ありがとね、慎一。」

「モヤモヤしてんだったら、うちに居る間に答えは出せばいいと思う。周りとか気にせずに自分の気持ちを優先すれば、自ずと答えは出ると思うけどな。」

「うん、、そうする。」














その後、車内で会話は無かったけど決して沈んだ気持ちにはならなかった。


病院から帰った私を笑顔の綾ちゃんと亜美ちゃんが出迎えてくれて一度仮眠を取ると賑やかな弟達が続々と帰宅してきた。








誰が連絡したのか分からなかったけど、両親まで帰ってきて久しぶりの家族団欒となった。


何があったのか何となく分かっているんだろうけど誰も聞いてこない。


あるのは至って普通な日常会話。

そんな家族の優しさが温かかった。








夜寝る前に心配してくれているであろう真由ちゃんに昨晩の出来事を簡単にLINEで送った。

すると直ぐに電話が掛かってきて、凄く怒って凄く泣いて私を心配してくれた。




だから嬉しくまた涙が出た。


有給休暇を取って2、3日休む事を伝えると仕事の事は気にせずにゆっくり休養するようにと皆からも伝言を預かっていると教えてくれた。






家族や職場の同僚や友の優しさに包み込まれて、その日は眠りについた。


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