一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
覚悟を決めて顔を上げると、眉を下げた同僚が声を上げた。
「柏木さんっ!!!心配したよ!?!?もう大丈夫なの?!」
「え、、?」
思っていた言葉と違って困惑する中、更に言葉が次々と投げ掛けられる。
「、、大変だったですね。もっとゆっくりと休養されて良かったのに。」
「そうですよっ!あんな事があったんですから。私だったら暫くは立ち直れません。」
「てか片瀬さんには幻滅しました。憧れていたので本当にショックです。」
「素性を隠して働いていた上にこんな風に純粋な紗江さんを傷つけるなんてっ、、!許せません!」
「本当っ!!!二股の上に遊びだったなんて、、。確かに御曹司だと言われれば私達みたいな一般人になんか遊びだって言われても納得ですけど!それでもやるせないです。」
「柏木くんが気に病む事はないぞ。皆、キミの味方だからね。」
最後に部長からポンと肩を優しく叩かれ、周りもウンウンと頷いている。
「、、、、え、、それ、、誰の、、お話でしょうか、?」
一体、誰の話をしているのか理解できない。
頭の中が真っ白になっていると誰かが、人だかりを掻き分けて私の手を掴んだ。
「お話し中にすみませんっ!!!紗江っ、、!ちょっと来て!!!!」