100-3は? ~なにもかも秘密な関係~




 ふう。
 ようやく言えた、と思いながら、基は自分の車に乗り込んだ。

 あまり、意味はない気がするのだが。

 あやめは上司の自分より早く行きたいと車を先にスタートさせていた。

 ハンドルに貼り付けてある、注意! と赤い文字で書かれた付箋を見る。

『内藤さんが、金曜辺り、同期会を企画中』

 名前はないが、高倉の文字だった。

 ……助かった。

 が――。

 高倉。
 何故、お前は、内藤が同期会を企画していることを知っている。

 そして、何故、この間から、俺があやめを金曜日にデートに誘いたいなと思っていたことを知っているっ。

 謎は深まるばかりだが。

 まあ、いい。

 いつものことだ。

 そう思いながら、基は車をスタートさせた。



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