100-3は? ~なにもかも秘密な関係~



「おはようございます、浜波さん」

 あやめは自分のデスクについて手鏡を眺めている浜波に声をかけた。

 挨拶しても、沈黙しているので、
「どうしたんですか?」
とひょいとその手鏡を覗き込む。

 目鼻立ちがはっきりして美しい浜波の顔の横に、ちょっぴりマヌケな自分の顔が映り込んだ。

「いや、今日はまだ若いな、と思って」

「は?」

「今日はまだ若いから。
 明日も、きっとまだ若いだろう、とか考えてたのよ」

 はあ……と曖昧な返事をすると、
「あんたにはまだわかんないわよ。
 いや、あんたも、もうすぐよっ」
と怒鳴られる。
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