100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
 




「あのー、今、ワイン注いでいったの、高倉さんじゃなかったですか?」
というあやめの声が高倉の耳に聞こえていた。

 すぐ側で。

 ふふふ。
 あやめ様。

 すっとぼけているように見えても、さすがは女性。
 鋭いですね。

 それとも、私への愛のなせるわざでしょうか、と実は近くのテーブルで料理を給仕していた高倉は思う。

 潜入のコツは、周りの空気に溶け込むこと。

 例え、すぐ側にいても、それと気づかれないように。

 高倉は、あやめたちに背中側しか見えないようにしながら、なおかつ、自然な動きで移動し始めた。

 髪型も姿勢も変えているので、雰囲気も身長も違って見えるはずだ。
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