旦那様は内緒の御曹司~海老蟹夫妻のとろ甘蜜月ライフ~

「お、昨日とは打って変わって結婚のこと認めた。おめでとうございます」

 梢ちゃんがからかうような視線で私を見る。

「改めておめでとう理子ちゃん。ふたり、すっごくお似合いだよ」
「おめでとうございます。同期同士の結婚……参考にさせていただきます」

 チームメンバーひとりずつにそれぞれお祝いの言葉を贈られると、若干気まずい反面、不思議とまんざらでもない。相手はエビだし、愛し合って結婚したわけじゃないのにな。

 私は「あはは、どうも」と照れ笑いを浮かべつつ、みんなからの祝福を素直に受け取った。

「……って、そんなことより今は千葉くんに連絡しなきゃ」

 思い出したように立ち上がると、萌子さんが「あっ」と声をあげる。

「会社の番号じゃなくて、理子ちゃんの番号からかかってきたら出るんじゃない?」
「あー、ありえる」
「俺もそれに一票。試しに今ここでかけてみてくださいよ」

 口々にメンバーが私をけしかけるので、半信半疑ながらもデスクに置いていたスマホを手に取った。

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