記憶の中の溺愛彼氏
恋人との時間
私達が付き合うってことを、美亜と樹に伝えようと、二人に連絡を取ってみた。

「なんだ、元サヤかよ!」

樹はやっぱりと言って、とくに驚いた様子はなかった。

「まあ、収まるとこに収まった感じだよね?」

相槌を打ちながら美亜もしれっと答える。

「で?例の専務んとこの従姉妹さんには丁重にお断りしたのか?」

「先輩に伝えたら、断るにしても本人に直接会って言うのが礼儀だろって。」

「そっか、そうだよね…」

私は理解のあるフリをして、翔君と例の従姉妹さんが二人で会う機会なのに、何も言う事が出来なかった。

「香奈、心配しなくて大丈夫だから」

翔君は私を見てニッコリと微笑んだ。


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