いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
あっけらかんと返されて、拍子抜けした。
何となく記憶にあった、八木の前で弱音を吐いてしまった自分……という映像。
どうやらそれは夢であってくれたらしい。
だって聞いていたなら、あれだけ迷惑をかけたうえに実はドキドキしてたんです。 と、要約してしまえる言葉に小言の一つも言いたくなるだろう。
真衣香は、とりあえずホッと胸を撫で下ろしたのだった。
***
――そして、今日、水曜日。
出勤して更衣室で着替えを終え、いつもどおり。
朝の清掃をしている真衣香は、ふと居心地の悪さを感じた。
(……な、なんか見られてる?)
そう。次々と出勤してくる同僚たちに挨拶をしている最中、普段なら真衣香の存在など特に誰も気に留めないというのに。
とにかく、視線を感じるのである。
しかもヒソヒソと何やら囁き声も混じっている。
聞こえそうで聞こえないというのは、どうも気になってしまう。その上、視線を感じるのならば十中八九自分のことなのだろう……。
そう思い、手を止め耳を済ませたなら。
「すごいよね、いかにも真面目ですって顔して」
「社内で二股とかやばくない?」
「信じられないよね〜、坪井くんも八木さんも可哀想」
「おとなしそうな女ほど、裏の顔があるってほんとなんだね〜」
と、主に女性陣の声。そして。