いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
もう叫ぶことはなく、下を向き涙を拭いながら静かに答え、咲山は立ち上がった。
「違う、お前のことずっと良いように利用してただけだよ。俺に本気になってそうな女は全部潰してくれてたじゃん」
「……だって、涼太それを許すんだもん。どっかで私は特別なんだって期待するじゃん」
「ま、私も散々、涼太の彼女だった子たちに嫌なことしてきたしね。被害者面ばっかもできないし」と言って、前を向いた咲山。目を赤くしているものの涙は見えない。
強いな、と思うことはきっと身勝手なんだろう。
「……化粧品とかでしょ、別にいらない。 他の女に見せたかっただけだし。立花さんが嫌がるなら捨てちゃって」
「そっか、わかった」
落ちていたバッグを拾って肩にかける。そして扉にもたれ掛かり「立花さんといえばさぁ」と、何かを思い出すように呟やいた。
「かわいそうにね。涼太と関わったせいでビッチ扱いじゃん。社内で。どー考えても男知らないだろうにね」
「え? 南にまでそんな話まわってるの?」
突然、真衣香の直近の話題に触れたものだから前のめりに聞き返してしまう。
その様子を、心底鬱陶しそうに咲山は見下ろした。
「違うよ、立花さん帰った後だったけど、この間総務寄ったから。私まで八木さんに凄まれたし、涼太振られたの?」
含み笑いで、見上げるように問われる。
「八木さんに取られちゃったの? 立花さん」
「どうだろ、わからない」
「そっか、わからないんだ。 バッカみたい、どう考えても立花さんには八木さんの方がいいと思うし」