いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました



『手伝ってくれてありがとう。ね、坪井くんちょっとこっち。きてきて』

思いついたような無邪気な声に手招かれ、その朝掃除していた開発部を出て総務のフロアに入った。

『私も今日しんどいなぁって朝ごはん食べてこなかったんだけど、やっぱお腹空いてきちゃった』

そう言って恥ずかしそうに笑う。


『お弁当に持って来てたの。ね、一緒に食べようよ』

これならすぐ食べれるでしょ?と、バッグの中から取り出した巾着袋を広げて、白く小さな弁当箱をパカっと開く。そうして、にっこり笑いかけてくれた。

手元の弁当箱に再び目を向けると、サンドイッチが4つ、きっちりと詰め込まれているのが見えた。
その視線に何を感じたのか、真衣香は慌てたように声をあげる。

『あ、大丈夫! 朝作ったし傷んでないからね、もう寒いくらいだし。変なのも入れてないよ……たまご焼きとハムとレタスくらい』

真衣香の満面の笑みを前にして、ともに食べた朝食は美味しかった。情けないけど涙が出そうになるくらい暖かくて。

お前、昼飯どーすんの?って誤魔化すよう、からかうように聞いてみたら。

『八木さんと買いに行こうかなぁ』

なんて困ったように笑ったから。
チリチリと胸が痛んだことも、よく覚えてる。
あの時は認めてなんていなかったけど、そんなつまらないことで嫉妬していたんだ。

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