いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
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仕事を終えて帰ろうと会社を出た、冬休み明け、ある日のことだ。
「坪井くん、こんばんは」
「え?」
声の方を見ると暗がりの中、街灯に照らされる女の姿があった。
明るめのブラウンの髪が綺麗に一つにまとめられて、聡明な雰囲気を持っている。
キリッとした顔つきからは、気が強そうなイメージを感じて。
少し背が高めだろうか。スラリと細身の、顔は……まぁそこそこに美人な類だろう。
(あいつとは、正反対のタイプだなぁ)
「……こんばんは。えーっと」
黒いロングのダウンコートを着込んでいるが、長い時間立ち続けていたのかもしれない。寒いのだろう、鼻が少し赤くなってしまっている。
そのまま顔をジッと眺めてみるが、わからない。長時間待ち伏せされるような心当たりも今はない。
(えー、マジで誰だっけ……見たことあるような、つい最近……)
何となく顔は知っているような気もするのだけれど、名前を知られている経緯など思い出せない。
「ごめん……誰、だっけ」
もちろん失礼な返しだとは思った。なんせ相手は『坪井くん』とご丁寧に名前を呼んでくれたのだから。
最近会ったことがある気がするなら、クリスマスのクラブか?とも思ったが、それならば名前を知っているはずもなく。
坪井が返事を待っていると目の前の女は不満そうに眉を寄せて、目を細め坪井を見据えた。
「女なんて出会いすぎてていちいち覚えてない?」
「え、いや……最近はそんな出会ってないかな」
女は「最近ねぇ」と吐き捨てるように言った後、坪井の余裕を奪うセリフを放つ。