これは恋ですか。
不思議なご縁
「おはよう、華子くん」


いつも通りの時間に、副社長がいらっしゃった。
いつもと変わらない、スマートな副社長。
昨日のことなど、まるでなかったかのように、爽やかだ。


「おはようございます、副社長。
今日は、予定通りの業務で大丈夫ですか？」


「あぁ。構わない。
あと、華子くんに一つ頼みがあるんだ」


「私に、ですか？」


「あぁ。
今日、いぶきは退院して俺の部屋に来る。
身の回りの事は秘書の黒川がほとんどやるだろうが、やはり女性にしかお願い出来ないこともあると思うんだ。
いぶきのこと、頼んでもいいか？」


どんな頼みごとかと思えば、私にも出来る、というか大歓迎の頼みごとだ。


「もちろんです！
私、桜木先生ともっとお話ししてみたかったんです。父ともお知り合いのようですし」


「よかった。
あいつ、日本には、アリオンエンタープライズの丹下の嫁さん、恵（めぐみ）さんくらいしか知り合いがいなくて。

恵さんも今日の夕方には来てくれることになってるんだが、２歳の子供がいるから、長くは引き止められないし」


「分かりました。
じゃ、秘書の黒川さんと連絡先交換して、桜木先生の様子を教えてもらいます。
必要ならいつでも伺えるようにしますね」

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