つきとねこ

夜中、僕はのどがかわいて水を飲みに台所にきた

玄関の前に柚月が立っている

ドアノブに手をかけている

外に出ようとしてるのかな?

でも、柚月は玄関のドアを少し開けてまた、閉めてしまった。

「…見てたの?」

「ニャア」

「外の空気を吸ってみようと思って…夜中だったら、人もいないし」

夜中なんて、危ないぞ!

「人が多いとたくさんの目に囲まれてる気がして怖いんだ…だから夜中ならいけるかもって思ったんだけど…」

柚月が思うほど人は柚月のことなんて見てないけどね

「最近は家にいても苦しいんだ、どこかに行きたいよ」

そうだ、コーコーセイの頃の友達に電話してみろよ!

一緒に外に出たら怖くないかもしれないぞ!
< 8 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop