危険なキミの溺愛
「おっ、重いし…」



「全然。羽みたいに軽い」



なわけないよね…。



「うそ…」



「先生が、誰か保健室に連れてってやれって。嫌ならやらない」



そ…そうなの…?



自分から…ってこと?



そして湊が耳元で囁く。



「さすがに、自分の婚約者が他の男に抱えられるのを見るのは嫌だしな…」



そんなことを思ってくれるの?



形だけの婚約者だけど、湊がそう思ってくれたのは素直に嬉しい。



「足、痛いんだろ?こういう時は甘えていいから」



「ありがとう…」



足も痛いし、胸の奥がギュッと苦しくなる。



湊は…ずるいよ。



その気もないのにどうしてこんなに優しくするの?



本当に、すっごく甘えたくなる…。



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