危険なキミの溺愛
「たったそれだけでフィアンセならよかった…って呆れるな。マジで言ってる?」



そう…だよね。



やっぱり…もう…誤魔化せないかな。



なんて言おうか迷って少し俯いた瞬間、湊が私の肩に触れた。



「ムカつくけど間違ってないかもな。俺よりはいいのかも。どうせ俺に寄ってくる女なんて、金目当てとか顔がタイプだとか、大した理由もないやつらばっかだし」



自虐的なことを言うから意外だと思った。



俺?モテて当然。



みたいなこと、言わないんだ?



「そのまま寝てろよ。じゃあな」



湊は私の肩をそのまま押すと布団に寝転がらせた。



え…行っちゃうの?



そんなことを思っている自分に驚いた。



< 132 / 263 >

この作品をシェア

pagetop