危険なキミの溺愛

ドアに耳をつけると、廊下でのやり取りが聞こえてきた。



「うわあっ！」



これは、どっちの声？



「弱すぎ。このまま警察行く？それとも…」



あ…こっちが湊の声…！



ってことは、男を取り押さえることができた？



そう思った瞬間！



「わーっ!!腕が折れる」



湊とは違う男の声が大きく響いた。



腕が折れたら大変だよ!!



止めなくちゃ！



急いで鍵を回してドアを開いた。



男は廊下にうつ伏せの状態で、湊が背中に馬乗りになっている。



床に顔を押し付けられ、苦しそうに歪めるその顔に見覚えがあった…。